利潤方式導入
社会主義的計画経済を建前とするソ連の国営企業に対して、とかく間題になっている非能率を是正するために、総合的能率指標として利潤を導入し、利潤率の高さによって報奨金を与えるという新方式です。ハリコフ大学のリーベルマン教授が提唱したところから、この企業利潤制は、リーベルマン方式とも言われています。徒来の各企業に対する計画機関からの要求は総生産高方式と言われるもので、これによると、品目別の生産目標は与えられているにもかかわらす、各企業はなるぺく重量が金額のはるものを作るとか、固定設備や原材料をよけいに抱え込む、といった傾向がありましたが、リーベルマンが1962年9月プラウダ紙に発表した論文、計画利潤報償金によると、各企業はやはり生産品目と生産高は指示されますが、生産基金、固定設備と原林料の合計に対する利潤の割合、利潤率の高さによって従業員への報償金が写えちれることになれば、企業の自主的運営と能率的な計画遂行とが行なわれることになります。この提案はソ連内に論争をまき起こし、ソ連外では資本主義的企業制の復活と批判されましたが、元々ソ連の企業は独立採算制と収益性を基礎にしていました。利潤導入論は、その後にソ連で賛成論が強くなり、フルシチョフ後の政権のもとで、軽工業部門から徐々に採用されることになりました。こうした利潤方式導入による経済改革は、工業部門では66年から遂次実施し、68年末で工業生産の約4分の3の企業が新制度に移行し、また農業都門でも67年からソフォーズについて部分的に実施されていました。

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