コメコン
社会主義諸国間の経済的協力のための国際的協議機関がコメコンです。1949年1月モスクワで、ソ連、ブルガリア、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、チェコスロバキアの東欧6力国経済会議が開かれ、この6カ国をもってSEVの設置が決定されました。続いて同年アルバニア、50年東ドイツ、62年モンゴルが加入しました。中国、北朝鮮、北ベトナム、ユーゴ、キューバとがオブザーバーを送っていましたが、62年以降、アルバニアと中国および北朝鮮は会議に参加していません。機構は加盟国代表による総会と執行委員会、事務局および計画局と各種専門委員会がありました。SEVは本来西欧側のマーシャルプランに対抗するものとして社会主義諸国間の貿易関係の強化発展のための経済強力機構でしたが、55年末の第6同会議以降は社会主義的国家分業体制の樹立を志向するようになり、さらにEECに対抗して、域内経済交流を強化するため、62年未の第7回総会で、多角的決済制度と国際経済協力銀行創設の計画が決まり、63年10月の第9回執行委員会で加盟8力国は、これに関する協定に調印しました。加盟国内の貿易その他の決済は64年1月1日から国際経済協力銀行を通して、振替可能ルーブルで行なわれる。国際経済協力銀行は、多角的決済業務のほか、加盟国の質易その他に信用を供与することになっています。この国際協力銀行の基金は3億振替可能ルーブル、各国出資額は貿易高に応じて決められました。さらにコメコン諸国の経済発展と経済統合を推進するため、70年5月の第24回総会でルーマニアを除く7力国は国際投資銀行の設立を決め、同年7月調印しました。同行は71年1月からモスクワで業務を開始しましたが、資本金は当初10億振替可能ルーブルで、社会主義的国際分業や現燃料資源の開発、各種建設関連事業などに融資することになっています。上記の国際協力銀行や、この国際投資銀行が有効に機能すれば、域内諸国の経済発展と経済統合拡進むことは確かでしたが、それはソ連中心の東欧圏国際分業体制の強化になりかねないために、ソ連以外の諸国、特にルーマニアのように独自の路線を歩む国がらは警戒されることになりました。

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