反トラスト法

反トラスト法とはアメリカにおける独占禁止法のことを言い、アメリカで前世紀末から今世紀初めにかけて巨大な独占的企業が出現し、ほとんど、トラストの形態をとっていたことから、これを規制するため生まれたものです。通常次の三つの連邦立法を含みます。シャーマン法は1890年に制定され、取引を制限し独占するトラストや企業結合や共謀を非合法とし、罰則を設けています。同法違反としてスタンダード石油が解散を命ぜられた例もありますが、その規定はあいまいであり、運用も厳格でなかったために、グレイトン法と、連邦取引委員会法が1914年に成立し、前者は実質的に競争を制限して独占を生むような株式取得の禁止や重役兼任の禁止などを規定し、後者は独占の抑制と防止に必要な行政措置などについて規定し、シャーマン法を補充しています。
さらに1950年クレイトン法が一部改正され、株式取得による合併ばがりでなく、資産取得による合併も禁止されることになりました。ただし、反トラスト法が制定されていても、独古的寡占的巨大企業は存在し発展します。反トラスト法は合併によって高度の寡占的集中が実現することを間題にするのであって、寡占そのものを問題にするりではありません。日本の独禁法は主にこの反トラスト法をもとにしてつくられたものでした。

お金と世界経済

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