欧州共同体

欧州経済共同体EEC、欧州石炭鉄銅共同体ECSC、欧州原子力共同体EURATOMの総称で、これら三共同体を構成するフランス、西ドイツ、イタリア、オランダ、ぺルギー、ルクセンブルグの6力国は、三共同体の理事会および執行機関などを統合する条約に1965年4月調印しましたが、農業共通政策の推進についてフランスと他の5力国との間に意見の対立が表面化したために、統合は67年7月に実現しました。この統合による三共同体共通の組織は、官僚理事会、欧州共同体委員会、欧州委員会、欧州議会、欧州共同体裁判所からなります。
欧州自由貿易地域は拡大EC9力国と、EFTAにとどまる7力国を合わせた16力国によって結成されます。工業製品の自由貿易圏で、72年7月関係国がこの協定に調印し、73年1月から発足しました。同協定によると、工業製品の輪入関税の相互引上げと数量制限の撤廃を随時実現し、輸入関税は77年7月1日に全廃となりました。元々EFTAはECに対抗する目的で設立されましたが、その盟主イギリスのEC加盟決定でEFTAの性格が変質し、ここに残留EFTAが拡大ECに吸収合併されるに至りました。さらにこの欧州自由貿易大連合に拡大ECと連携を保つ旧植民地諸国を加えると、ECの巨大な地域経済圏の姿が浮び上がってきます。このような地域主義の台頭は、先進国のうちその圏外におかれる日本、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどにとって新たなインパクトを与えるとともに、またガットとの関係でも難しい問題を提起することとなります。

お金と世界経済

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